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法定福利費・社会保険料の会社負担 計算ツール(2026年度)
従業員1人を雇うと、給与のほかに会社が払う社会保険料・労働保険料(法定福利費)がいくらかかるかを計算します。建設業の見積書に書く法定福利費(労務費 × 法定保険料率)も、国土交通省の作成手順どおりに出せます。料率は令和8年度(2026年度)です。
最終確認日:|令和8年度の協会けんぽ・厚生年金・雇用保険の料率、子ども・子育て支援法施行令27条、労働保険徴収法施行規則別表第一(労災保険率)、国土交通省の作成手順を確認しています。
給与と従業員
会社負担
—円
計算の内訳
計算すると、ここに保険ごとの会社負担が出ます。
法定福利費は「法律で決まっている会社負担」
法定福利費は、法律で会社が負担すると決まっている社会保険料・労働保険料のことです。給与から引く本人負担分とは別に、会社が自分の負担分を上乗せして納めます。
| 保険 | 会社負担の率(令和8年度) | 負担の分け方 | 計算のもと |
|---|---|---|---|
| 健康保険(子ども・子育て支援金を含む) | (都道府県の料率+0.23%)÷ 2 | 労使折半 | 標準報酬月額・標準賞与額 |
| 介護保険(40〜64歳) | 1.62% ÷ 2 = 0.81% | 労使折半 | 同上 |
| 厚生年金保険 | 18.3% ÷ 2 = 9.15% | 労使折半 | 厚生年金の標準報酬月額・標準賞与額 |
| 子ども・子育て拠出金 | 0.36% | 全額会社 | 同上 |
| 雇用保険 | 0.85%(建設1.05%・農林水産清酒0.95%) | 会社のほうが多い | 賃金総額 |
| 労災保険 | 0.25〜8.8%(業種による) | 全額会社 | 賃金総額 |
| 一般拠出金(石綿健康被害救済) | 0.002% | 全額会社 | 賃金総額 |
健康保険料率は協会けんぽの都道府県別の料率。子ども・子育て支援金(0.23%)は健康保険料と合わせて徴収され、2026年4月分から。
被保険者及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料額の二分の一を負担する。
出典:健康保険法 第161条 第1項(e-Gov法令検索)。厚生年金保険も同じく半額ずつ(厚生年金保険法 第82条 第1項)
子ども・子育て拠出金は、本人負担がなく会社だけが払います。2026年4月に始まった子ども・子育て支援金(労使折半)とは別のものです。
法第七十条第二項の拠出金率は、千分の三・六とする。
出典:子ども・子育て支援法施行令 第27条(e-Gov法令検索)。拠出金の額は厚生年金の標準報酬月額・標準賞与額に拠出金率をかけた額(子ども・子育て支援法 第70条)
人件費は給与のおよそ1.15倍〜1.17倍
40歳以上の従業員で、労災保険率が低い業種(1000分の3程度)なら、会社負担は給与と賞与のおよそ15〜17%になります。月給30万円・賞与年2回50万円(年収460万円)の人なら、法定福利費は年70万円台で、人件費は530万円を超えます。介護保険のかからない40歳未満は0.8ポイントほど下がり、労災保険率の高い業種では上がります。正確な額は上のツールで計算してください。
建設業の見積書の法定福利費
建設業では、下請企業が元請企業に出す見積書に、法定福利費を内訳として明示する取組が進められています。国土交通省の作成手順では、法定福利費を次の式で出すのが基本です。
| 項目 | 国土交通省の作成手順 |
|---|---|
| 計算式 | 法定福利費 = 労務費総額 × 法定保険料率(見積書の労務費を賃金とみなす) |
| 対象 | 健康保険料(介護保険料を含む)・厚生年金保険料(子ども・子育て拠出金を含む)・雇用保険料の事業主負担分 |
| 労災保険 | 対象外(元請が工事全体でまとめて加入するため) |
| 雇用保険の料率 | 「建設の事業」の料率 |
| 介護保険の料率 | 介護保険料率 × 1/2 × 加入率(被保険者のうち40〜64歳の割合) |
出典:法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順|国土交通省。作成手順の当時の名称「児童手当拠出金」は、現在の子ども・子育て拠出金です。
令和8年度の料率で計算すると、都道府県ごとの法定福利費率(労務費に対する割合)は次のとおりです。
| 都道府県 | 健康保険 (支援金を含む) | 40〜64歳が 0% | 52.9% (国交省の例) | 100% |
|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 5.255% | 15.815% | 16.243% | 16.625% |
| 青森県 | 5.040% | 15.600% | 16.028% | 16.410% |
| 岩手県 | 4.870% | 15.430% | 15.858% | 16.240% |
| 宮城県 | 5.165% | 15.725% | 16.153% | 16.535% |
| 秋田県 | 5.120% | 15.680% | 16.108% | 16.490% |
| 山形県 | 4.990% | 15.550% | 15.978% | 16.360% |
| 福島県 | 4.865% | 15.425% | 15.853% | 16.235% |
| 茨城県 | 4.875% | 15.435% | 15.863% | 16.245% |
| 栃木県 | 5.025% | 15.585% | 16.013% | 16.395% |
| 群馬県 | 4.955% | 15.515% | 15.943% | 16.325% |
| 埼玉県 | 4.950% | 15.510% | 15.938% | 16.320% |
| 千葉県 | 4.980% | 15.540% | 15.968% | 16.350% |
| 東京都 | 5.040% | 15.600% | 16.028% | 16.410% |
| 神奈川県 | 5.075% | 15.635% | 16.063% | 16.445% |
| 新潟県 | 4.720% | 15.280% | 15.708% | 16.090% |
| 富山県 | 4.910% | 15.470% | 15.898% | 16.280% |
| 石川県 | 4.965% | 15.525% | 15.953% | 16.335% |
| 福井県 | 4.970% | 15.530% | 15.958% | 16.340% |
| 山梨県 | 4.890% | 15.450% | 15.878% | 16.260% |
| 長野県 | 4.930% | 15.490% | 15.918% | 16.300% |
| 岐阜県 | 5.015% | 15.575% | 16.003% | 16.385% |
| 静岡県 | 4.920% | 15.480% | 15.908% | 16.290% |
| 愛知県 | 5.080% | 15.640% | 16.068% | 16.450% |
| 三重県 | 5.000% | 15.560% | 15.988% | 16.370% |
| 滋賀県 | 5.055% | 15.615% | 16.043% | 16.425% |
| 京都府 | 5.060% | 15.620% | 16.048% | 16.430% |
| 大阪府 | 5.180% | 15.740% | 16.168% | 16.550% |
| 兵庫県 | 5.175% | 15.735% | 16.163% | 16.545% |
| 奈良県 | 5.070% | 15.630% | 16.058% | 16.440% |
| 和歌山県 | 5.145% | 15.705% | 16.133% | 16.515% |
| 鳥取県 | 5.045% | 15.605% | 16.033% | 16.415% |
| 島根県 | 5.085% | 15.645% | 16.073% | 16.455% |
| 岡山県 | 5.140% | 15.700% | 16.128% | 16.510% |
| 広島県 | 5.005% | 15.565% | 15.993% | 16.375% |
| 山口県 | 5.190% | 15.750% | 16.178% | 16.560% |
| 徳島県 | 5.235% | 15.795% | 16.223% | 16.605% |
| 香川県 | 5.125% | 15.685% | 16.113% | 16.495% |
| 愛媛県 | 5.105% | 15.665% | 16.093% | 16.475% |
| 高知県 | 5.140% | 15.700% | 16.128% | 16.510% |
| 福岡県 | 5.170% | 15.730% | 16.158% | 16.540% |
| 佐賀県 | 5.390% | 15.950% | 16.378% | 16.760% |
| 長崎県 | 5.145% | 15.705% | 16.133% | 16.515% |
| 熊本県 | 5.155% | 15.715% | 16.143% | 16.525% |
| 大分県 | 5.155% | 15.715% | 16.143% | 16.525% |
| 宮崎県 | 5.000% | 15.560% | 15.988% | 16.370% |
| 鹿児島県 | 5.180% | 15.740% | 16.168% | 16.550% |
| 沖縄県 | 4.835% | 15.395% | 15.823% | 16.205% |
法定福利費率 = 健康保険((都道府県の料率+支援金0.23%)÷ 2)+ 介護保険(1.62% ÷ 2 × 40〜64歳の割合)+ 厚生年金(9.15%)+ 子ども・子育て拠出金(0.36%)+ 雇用保険(建設の事業 1.05%)。協会けんぽ加入の場合。小数点以下第4位を四捨五入。
よく見かける「法定福利費は16.5%」という数字は、40〜64歳の割合を100%とし、健康保険料率が高い県で計算した値に近いものです。加入率を国土交通省の例の52.9%にすると、令和8年度は新潟県の15.708%から佐賀県の16.378%まで、都道府県によって0.7ポイント近く違います。見積書の法定福利費は、自社が加入している健康保険の料率で計算するのが前提です。
なお、法定福利費も消費税の対象です。また、常時5人未満の個人事業所や一人親方など、健康保険・厚生年金に加入する義務がない作業員の分は、事業主負担が発生しないので内訳明示から除きます(国土交通省の作成手順)。
数字を読むときに気をつけること
- 令和8年度の料率で12か月分を計算しています。健康保険料率は毎年3月分、雇用保険料率は4月分から変わります。
- 社会保険料の会社負担は、合計の保険料から本人負担(50銭以下切り捨てで丸めた額)を引いた額です。会社全体で納める保険料は、従業員全員の分を合計してから1円未満を切り捨てるため、1人分で計算した額とわずかにずれます。
- 雇用保険料・労災保険料・一般拠出金は、年間の賃金総額(月給 × 12 + 賞与)にかけています。実際は年度ごとの賃金総額(1,000円未満切り捨て)で申告します。
- 賞与の健康保険は年度の累計573万円、厚生年金と拠出金は1回150万円が上限です。
参考にした資料
- 健康保険法(第40条・第45条・第156条・第161条)・厚生年金保険法(第24条の4・第81条・第82条)|e-Gov法令検索
- 子ども・子育て支援法(第69条・第70条)・同施行令(第27条)|e-Gov法令検索
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則(別表第一 労災保険率表)|e-Gov法令検索
- 石綿健康被害救済法に基づく一般拠出金の徴収制度について|厚生労働省
- 令和8年度の都道府県毎の保険料率|協会けんぽ
- 法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順|国土交通省