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労災の休業補償 計算ツール

仕事中のけがや通勤中の事故で休んだときに受け取れる金額を計算します。よく「8割もらえる」といわれますが、中身は60%の給付と20%の特別支給金という別々の制度です。特別支給金は申請しないと支払われません。

最終確認日:|労災保険法8条の5・14条・特別支給金支給規則3条の現行の条文と、2026年8月1日からの給付基礎日額の最低保障額(厚生労働省)を確認しています。

賞与は入れません。けがをした日の直前の賃金締切日からさかのぼった3か月分です。
土日祝も数えます。3か月なら89日〜92日です。
半日だけ出勤した日など。0でかまいません。

受け取れる合計

—円

内訳

計算すると、ここに内訳が出ます。

「8割」の中身は、2つの別々の制度です

労災で休んだときに受け取れるのは、ひとつの給付ではありません。60%の休業補償給付と、20%の休業特別支給金という2つを合わせて8割になります。

休業補償給付は、労働者が業務上の負傷又は疾病による療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第四日目から支給するものとし、その額は、一日につき給付基礎日額の百分の六十に相当する額とする。

出典:労働者災害補償保険法 第14条 第1項(e-Gov法令検索)

休業特別支給金は、(中略)療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第四日目から当該労働者に対し、その申請に基づいて支給するものとし、その額は、一日につき休業給付基礎日額の百分の二十に相当する額とする。

出典:労働者災害補償保険特別支給金支給規則 第3条 第1項(e-Gov法令検索)
条文に「その申請に基づいて支給する」と書かれているとおり、休業特別支給金は申請しないと支払われません。請求書(業務災害は休業補償給付の様式第8号、通勤災害は休業給付の様式第16号の6)には特別支給金の申請欄が一体になっているので、通常は同時に手続きします。別の紙を出す必要はありませんが、申請欄が空欄のままだと20%分が受け取れません。

最初の3日間は労災から出ません

どちらの給付も4日目からです。では最初の3日間はどうなるのか。ここが業務災害と通勤災害で分かれます。

 最初の3日間4日目以降
業務災害会社が平均賃金の60%を補償(労基法76条1項)労災保険から80%
通勤災害補償はありません労災保険から80%(最初の1回だけ200円を差し引き)

労働者が前条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の百分の六十の休業補償を行わなければならない。

出典:労働基準法 第76条 第1項(e-Gov法令検索)

4日目以降に会社が補償しなくてよくなるのは、労災保険から給付されるためです。

この法律に規定する災害補償の事由について、労働者災害補償保険法(中略)に基づいてこの法律の災害補償に相当する給付が行なわれるべきものである場合においては、使用者は、補償の責を免れる。

出典:労働基準法 第84条 第1項(e-Gov法令検索)

通勤災害に会社の補償がないのは、労働基準法の災害補償が業務上の傷病を対象にしているからです。通勤中の事故は業務上ではないため、76条の対象になりません。

通勤災害は「休業給付」で、最初に200円が引かれます

通勤災害で休んだときの給付は、法律上は「休業補償給付」ではなく「休業給付」という名前です。計算は業務災害と同じで、労災保険法14条がそのまま準用されます(22条の2第2項)。違いは、最初に支給される休業給付から一部負担金200円が差し引かれることです。

療養給付を受ける労働者(中略)に支給する休業給付であつて最初に支給すべき事由の生じた日に係るものの額は、(中略)同項の額から第三十一条第二項の厚生労働省令で定める額に相当する額を減じた額とする。

出典:労働者災害補償保険法 第22条の2 第3項(e-Gov法令検索)

この額は200円です(日雇特例被保険者は100円・労災保険法施行規則44条の2第2項)。差し引かれるのは1回だけで、通勤災害の治療費(療養給付)の一部負担金にあたります。ただし、相手のいる交通事故など第三者の行為による事故や、休業給付を受けない方は差し引かれません(同条1項)。このツールで通勤災害を選ぶと、事故の相手の有無に応じて200円を差し引きます。

なお、業務外の病気やケガで働けないときは、労災ではなく健康保険の傷病手当金が支給されます。こちらは給付基礎日額ではなく標準報酬月額をもとに計算し、金額も3分の2です。

給付基礎日額は、平均賃金と同じ計算です

給付基礎日額は、労働基準法第十二条の平均賃金に相当する額とする。

出典:労働者災害補償保険法 第8条 第1項(e-Gov法令検索)

つまり直近3か月の賃金総額を、その期間の暦日数で割った額です。労働日数ではなく暦日数なので、月給の人は1日あたりが小さく出ます。計算の詳細は有給休暇1日分の賃金のページで説明しています。

時給や日給で働いている場合は、賃金総額 ÷ 労働日数 × 60%という最低保障があり、原則額と比べて高いほうが採られます(労基法12条1項1号)。このツールもその判定をしています。

さらに給付基礎日額には、平均賃金とは別に最低保障額(自動変更対象額)があります。平均賃金がこれに届かないときは、最低保障額が給付基礎日額になります。2026年8月1日以降は4,350円です(改定前は4,250円・毎年8月1日に見直し)。短時間のパートなどで平均賃金が低い方は、ここで金額が変わります。最後に1円未満の端数は切り上げます(労災保険法8条の5)。

計算例:月給30万円の人が10日休んだ場合

月給30万円で、けがの前の3か月(暦日数92日)の賃金が合計90万円、仕事中のけがで10日続けて休んだ場合です。

項目計算金額
給付基礎日額900,000円 ÷ 92日 = 9,782.60円 → 1円未満切り上げ9,783円
最初の3日(会社の休業補償)9,783円 × 60% × 3日17,609円
休業補償給付(4〜10日目)9,783円 × 60% × 7日41,088円
休業特別支給金(4〜10日目)9,783円 × 20% × 7日13,696円
合計 72,393円

労災保険から出るのは4日目以降の54,784円で、最初の3日分は会社が支払います。同じ条件で通勤災害なら、最初の3日分はなく、休業給付から200円が引かれるので54,584円です(相手のいる事故なら54,784円)。

半日だけ働いた日は、差額の6割になります

療養しながら一部だけ働いた日や、賃金が支払われる休暇を取った日は「部分算定日」と呼ばれ、計算が変わります。

ただし、労働者が業務上の負傷又は疾病による療養のため所定労働時間のうちその一部分についてのみ労働する日若しくは賃金が支払われる休暇(中略「部分算定日」)(中略)に係る休業補償給付の額は、給付基礎日額(中略)から部分算定日に対して支払われる賃金の額を控除して得た額(中略)の百分の六十に相当する額とする。

出典:労働者災害補償保険法 第14条 第1項ただし書(e-Gov法令検索)

給付基礎日額が1万円で、その日に4,000円の賃金が支払われたなら、(10,000 − 4,000)× 60% = 3,600円が休業補償給付になります。特別支給金も同じ差額に20%をかけるので1,200円です。働いた分の賃金4,000円と合わせて8,800円になり、まったく働かなかった日の8,000円より多くなります。

数字を読むときに気をつけること

参考にした資料