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医療費控除 計算ツール
源泉徴収票の4つの数字と1年間の医療費から、確定申告で戻ってくる所得税を1円単位で計算します。医療費控除で下がるのは所得税だけではありません。翌年度の住民税も下がるので、その目安もあわせて出します。セルフメディケーション税制とどちらが得かも比べられます。
最終確認日:|所得税法73条・89条と租税特別措置法41条の17(2027年1月1日時点の条文を含む)の条文、国税庁の記載例を確認しています。
年と源泉徴収票
医療費
セルフメディケーション税制と比べる(任意)
確定申告で戻ってくる所得税
—円
計算の手順
計算すると、ここに確定申告書と同じ順で手順が出ます。
医療費控除の額は「医療費 − 10万円」
医療費控除の額は、1年間に支払った医療費から保険金などで補てんされた額を引き、さらに10万円を引いた額です。所得の合計が200万円未満の人は、10万円のかわりに所得の5%を引きます。上限は200万円です。
居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払つた場合において、その年中に支払つた当該医療費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。)の合計額がその居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の百分の五に相当する金額(当該金額が十万円を超える場合には、十万円)を超えるときは、その超える部分の金額(当該金額が二百万円を超える場合には、二百万円)を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。
出典:所得税法 第73条 第1項(e-Gov法令検索)
給与だけの人の「総所得金額」は、源泉徴収票の給与所得控除後の金額です。これが200万円未満(給与の年収でおよそ297万円未満)なら、引かれる額は10万円より少なくなります。たとえば給与所得控除後の金額が120万円なら、5%の6万円を超えた医療費が控除の対象です。
戻ってくる額は「控除額 × 税率」とは限らない
よく「医療費控除の額に税率をかけた額が戻る」と説明されますが、実際の還付額は次の理由で少しずれます。このツールは確定申告書と同じ順に計算しています。
- 課税される所得は1,000円未満を切り捨ててから税率をかけます。
- 控除で課税所得が税率の境目(195万円・330万円・695万円など)をまたぐと、税率が途中で変わります。
- 所得税のほかに復興特別所得税(所得税の2.1%)も戻ります。
- 年末調整の税額は100円未満を切り捨てていますが、確定申告の税額は1円単位です。そのため、年末調整で切り捨てられていた分(最大99円)だけ、戻る額が少なくなることがあります。
- 住宅ローン控除を受けている人は、もともと所得税が少ないため、戻る額が控除額 × 税率より小さくなることがあります。
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
| 330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
| 695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
| 900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800万円を超え 4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
| 4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
所得税法89条の税率を速算表にしたものです。(課税される所得金額 × 税率 − 控除額)で所得税額が出ます。
このツールは、国税庁の「給与所得者(年末調整済)の記載例」(給与所得5,326,000円・医療費275,000円・補てん100,000円・寄附金控除あり・源泉徴収税額169,500円)を入れると、記載例と同じ還付14,002円(課税される所得金額2,498,000円・所得税152,300円・復興特別所得税3,198円)になることを確認しています。
源泉徴収税額が0円でも、住民税は下がる
源泉徴収税額が0円の人は、医療費控除をしても所得税は戻りません。ただ、住民税は下がることがあります。住民税の基礎控除は43万円で、所得税の基礎控除(2026年分は最高104万円)より小さいため、所得税がかからない人にも住民税はかかることが多いからです。
| 例:年収180万円・社会保険料27万円・単身(2026年分) | 医療費なし | 医療費15万円 |
|---|---|---|
| 所得税(給与所得106万円 − 社会保険料 − 基礎控除104万円) | 0円 | 0円 |
| 医療費控除(給与所得が200万円未満なので、15万円 − 106万円の5%) | — | 97,000円 |
| 住民税の課税総所得金額 | 360,000円 | 263,000円 |
| 住民税(令和9年度分・均等割と森林環境税を含む) | 38,500円 | 28,700円 |
住民税は住民税の計算で、1級地・標準税率として計算した額です。
所得税の確定申告をしない場合でも、市区町村に住民税の申告をすれば医療費控除を受けられます。確定申告をすれば、その内容は住民税にも反映されるので、別に住民税の申告をする必要はありません。
セルフメディケーション税制との選択
健康診断や予防接種などを受けている人は、医療費控除のかわりにセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)を選べます。対象の市販薬の購入額から1万2千円を引いた額(上限8万8千円)を控除します。どちらか一方しか選べません。
(前略)同条第一項中(中略)「その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の百分の五に相当する金額(当該金額が十万円を超える場合には、十万円)」とあるのは「一万二千円」と、「二百万円」とあるのは「八万八千円」として、同項の規定を適用することができる。
出典:租税特別措置法 第41条の17 第1項(e-Gov法令検索)
対象期間は、現行の条文では2026年12月31日までですが、2027年1月1日に施行される改正後の条文では2031年(令和13年)12月31日までに延びています。病院にかかった医療費が10万円に届かず、市販薬をよく買う人はこちらが得になることがあります。このツールは、両方の還付額を計算して比べます。
数字を読むときに気をつけること
- 年末調整を受けた人の源泉徴収票を前提にしています。年の途中で退職して年末調整を受けていない人、給与以外の所得がある人、2か所以上から給与をもらっている人は、確定申告書の計算と合わないことがあります。
- 住民税が下がる額は、医療費控除の額の10%を目安として出しています。住民税の課税所得が控除額より小さい人や、住民税がかからない人は、これより少なくなります。
- 医療費控除の対象になる医療費かどうか(治療か予防か美容か、通院の交通費など)は、このツールでは判定しません。国税庁の説明を確認してください。
- 家族の医療費は、誰の分でもまとめて1人が申告できます。所得税の税率が高い人が申告すると、戻る額が大きくなります。
参考にした資料
- 所得税法(第73条・第89条)|e-Gov法令検索
- 租税特別措置法(第41条の17。2027年1月1日時点の条文も確認)|e-Gov法令検索
- 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(復興特別所得税・2.1%)|e-Gov法令検索
- 医療費控除を受ける方へ|国税庁
- 給与所得者(年末調整済)の記載例(医療費控除及び寄附金控除を受ける場合)|国税庁